在庫を持たずにオリジナルグッズを作って海外にも販売できるサービスがPrintfulです。Printfulは商品作成から発送までを一括で代行してくれます。
さらには、ShopifyやAmazonなどのECサイトと連携することで、世界に向けて自分のブランドを展開できるサービスです。
本記事では、Printfulの仕組みや料金プラン、他サービスとの違い、どんな商品が作成できるのかを解説します。
「自分のブランドを持ちたい」「副業として始めたい」と考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
※本記事は2025年4月の情報をもとに作成しています。
Printful(プリントフル)とは?
Printfulはオンデマンドプリントとフルフィルメント(=受注から配送、返品・交換などの業務を代行)を合わせたサービスです。
2013年にラトビア出身のラウリス・リベルツ氏とデイヴィス・シクスナンズ氏がアメリカ、カリフォルニア州で創業し、2025年4月現在は9か国12施設を拠点として運営しています。
サービスの仕組み
Printfulは以下のサービスを展開していて、「売る」「作る」「買う」のすべてが揃っています。
- オリジナルプリント商品の注文受付
- 注文商品の製造・配送
- 無料デザイン作成ツールの提供
- ECサイトとの連携
利用者はアイテムのデザイン作成やマーケティングに集中できるので、コストを抑えつつ自分のブランドを作りたい人には魅力的なサービスといえるでしょう。
Printful Growthとは?
Printfulには「Printful Free」と「Printful Growth」の2つのプランが用意されています。
Printful Freeは月額料金なしでPrintfulのサービスを通常通り利用できるプランです。
一方、Printful Growthは月額料金が24.99ドルかかりますが、以下の特典が得られます。
- 製品価格が最大33%割引
- 商品ブランディングオプション(ラベルやパッケージ、同梱品等)が9%割引
- サンプル注文の25%割引
- 特定の商品でプリントエリアの拡大が可能
- 他のオンデマンドプリントサービスからの移行をサポート
- 年間売上が12,000ドルに達すると、翌年のサブスクリプション料金が無料
ブランド展開を目指す利用者にとっては、コスト削減や利益率の向上などが期待できるでしょう。
参照:Printful Growth: Get More Profit per Sale|Printful
Printifyとの違い
類似サービスとして混同されがちな「Printify(プリンティファイ)」ですが、Printfulとは提供形態に明確な違いがあります。どちらもオンデマンドプリントをベースとしたサービスである一方で、運用の仕組みにはいくつかのポイントがあります。
項目 | Printful | Printify |
---|---|---|
製造・発送 | 自社施設で製造・発送を一貫対応 | 世界中の製造事業者と提携し、製造・発送を委託 |
製品の種類 | 約390種類 | 約1,300種類 |
品質管理 | 自社施設内で一貫した品質管理が可能 | 委託先によって品質に差が出る可能性あり |
ブランディングオプション | ラベルやパッケージ、同梱物などを柔軟に対応 | 限定的。委託先の仕様に依存 |
価格設定 | 無料プランと月額$24.99の有料プランを提供 | 無料プランと月額$29の有料プランを提供 |
外部ECサイト連携 | Shopify、Etsy、Amazonなど主要プラットフォームに対応 | Shopify、Etsy、Amazonなど主要プラットフォームに対応 |
最も大きな違いは、製造・発送をPrintfulが自社で行うのに対し、Printifyは世界中の外部事業者に委託しているという点です。この違いにより、Printfulでは品質の安定性が期待できる一方、Printifyでは委託先ごとに品質にばらつきが生じる可能性があります。
その一方で、Printifyは取り扱い製品のバリエーションが豊富で、コストを抑えた製品ラインナップが充実しています。送料も比較的安価に設定されており、トータルコストを重視する場合には、Printifyのほうが有利に働くケースも少なくありません。
品質管理を重視するならPrintful、選択肢の広さとコストパフォーマンスを優先するならPrintifyといったように、運用の目的に応じて使い分けを検討するとよいでしょう。

Printful(プリントフル)の特徴
日本発のオンデマンドプリントサービスであるSUZURIやUTme!とはどう違うのでしょうか。Printfulとの特徴的な違いを解説します。
ShopifyやAmazonなどとの連携が可能
Printful最大の強みが、ShopifyやAmazon、Etsyなどの主要なECプラットフォームとスムーズに連携できる点です。商品登録から注文処理、発送までを自動化できるため、ストア運営の負担を大幅に軽減できます。
日本国内のサービスと比べても、EC運営との相性が非常に高く、海外を含む広いマーケットで商品を展開したい場合には大きなアドバンテージになります。特に、集客の基盤があるプラットフォームと直接連携できることで、初期段階から一定のアクセスが見込める点は見逃せません。
容易に海外販売ができる
Printfulは、北米・ヨーロッパを中心に世界中に製造拠点と配送ネットワークを持っているので、ユーザーは海外の顧客向けに商品を展開しやすく、海外販売のハードルを大きく下げられます。
特に、ShopifyやEtsyといったグローバルECプラットフォームと連携すれば、特別な物流手配をしなくても自動的に国際配送が行えるため、初めて海外販売に挑戦する人でもスムーズに運用できます。
実物に近いモックアップも作成できる
モックアップとは、製品の完成イメージを視覚的に確認できる「模型」のようなものです。オンデマンドプリントにおいては、デザインを商品に当てはめたシミュレーション画像を指します。
国内サービスのSUZURIやUTme!でもモックアップ機能は提供されていますが、多くはTシャツの絵型やイラスト上にデザインを反映させるスタイルです。
一方、Printfulのモックアップは、実物の写真をベースに生成される点が大きな違いです。実際のモデルや商品写真にデザインを載せる仕様となっており、プリントの大きさや色の出方などをよりリアルに確認できます。
Printful(プリントフル)の料金
Printfulでは、基本的に商品が売れたときだけ費用が発生する仕組みになっています。つまり、在庫を持たずに始められるオンデマンドプリントの特徴を活かし、初期費用を抑えて運用することが可能です。
無料プランを利用している場合は、月額料金も不要で、販売に関する固定コストはゼロ。商品の販売が発生しなければ料金はかからないため、低リスクでオンラインストアを立ち上げたい人にも適しています。
必要に応じて、有料プラン(月額$24.99)に切り替えることで、ブランディング機能や割引価格などの追加機能も利用できます。
Printfulは稼げるって本当?
Printfulでは、商品が売れたタイミングで初めて製造・配送コストが発生します。販売価格は利用者が自由に設定できるため、どれくらい利益が出るかは価格次第。ここでは、実際の利益率をシミュレーションしてみましょう。
シミュレーション条件(2025年4月時点)
- 商品:ユニセックス ステープルTシャツ(Bella + Canvas 3001)
- 加工内容:前面プリントのみ
- 販売価格:3,000円(送料込み)
- 連携ECサイト:Shopify
- 発送先:日本国内
費用内訳
- Printfulの作成コスト:1,700円
- Printfulの送料:520円
- Shopifyの取引手数料(3.4%):102円
- 消費税(10%):300円
合計コスト:2,622円
利益:3,000円 – 2,622円 = 378円
利益率:378円 ÷ 3,000円 ≒ 12.6%
この条件では、1枚売るごとに約378円の利益が出る計算です。
プラットフォーム費用も忘れずに
Shopifyでストアを運営する場合、たとえばベーシックプラン(4,850円/月)が別途かかります。この費用を回収するには、月にどれくらい売ればよいかも確認しておきましょう。
- 4,850円 ÷ 378円 ≒ 13枚
販売価格を引き上げれば、1枚あたりの利益も増えるため、より少ない販売数で黒字化が可能です。
ただし、価格はユーザーの購入意欲に大きく影響するため、相場やターゲット層の感覚を考慮したうえで慎重に設定することが重要です。マーケティングやブランディングと合わせて、価格戦略もしっかりと立てていきましょう。
Printful(プリントフル)で作れるもの
Printfulはアパレルだけでなく、雑貨や日用品まで幅広いカテゴリの商品を取り扱っています。オンデマンドプリントで対応できる製品数は非常に多く、自分のブランドやショップに合わせたラインナップ展開が可能です。
以下に主なカテゴリと代表的なアイテムを紹介します。
カテゴリ | 代表的な商品例 |
---|---|
アパレル | Tシャツ、パーカー、ポロシャツ、レギンス、ドレス、パンツ、パジャマなど |
帽子 | キャップ、ニット帽、バケットハット、バイザーなど |
バッグ | トートバッグ、バックパック、ボディバッグなど |
アクセサリー | ワッペン、ステッカー、スマホケース、イヤホンケース、ノートPCケース、スニーカー、ヘアバンドなど |
ホーム&リビング | ポスター、キャンドル、食器、文房具など |
ペット用品 | ペット用バンダナ、ペット用Tシャツ、ペットリードなど |
ベビー・キッズ | ベビーボディスーツ、キッズTシャツ、キッズパーカーなど |
これらの製品はすべてオンデマンドで対応できるため、在庫を持たずに幅広い商品展開を行えるのが大きな魅力です。ジャンルを絞らずに展開したいブランドにも適したプラットフォームといえるでしょう。
Printful(プリントフル)の評判・口コミ
ここでは、Printfulを実際に利用している人の声を、X(旧Twitter)からいくつか紹介します。
良い評判
総じて、品質の安定性やEC連携のスムーズさが高く評価されている印象です。Printfulは自社施設で製造・発送を行っているため、一貫した管理がされており、その信頼感が利用者の満足につながっているようです。
良くない評判
ネガティブな声としては、住所による配送制限や管理画面のわかりづらさが挙げられます。特に、海外サービスならではの英語表記やメニューの構成に慣れていない人にとっては、ややハードルを感じる場面もあるようです。
Printful(プリントフル)の使い方・始め方
Printfulは、アカウントを作成すれば誰でもすぐにオリジナル商品を作って販売できます。ここでは「作る」「売る」「買う」という基本的な流れを解説します。
オリジナル商品を作成する場合
- 商品選択
- デザイン作成
- デザインの配置と調整
- プレビュー確認
- テンプレートを保存
日本のオンデマンドプリントと同じようにサイト上のモックアップで作成します。
テンプレートとして保存され、別の商品で作成する際に簡単に流用できます。
オリジナル商品を販売する場合
- ECサイトとの連携しPrintfulアプリをダウンロード
- 新規作成orテンプレートを使用
- 作成した商品を連携したECサイトに追加
- 売れたら注文処理
- 商品価格から制作コストや手数料を差し引いて利益が決定
商品登録までは手動の設定が必要ですが、それ以降は注文処理から発送、利益計算までが自動化されるため、少人数の運営でも無理なく販売を続けられるのが大きなメリットです。
自分で作成した商品を購入する場合
Printfulでは、自分が作成したオリジナル商品を「サンプル注文」として購入することが可能です。実物の確認や撮影用、品質チェックをしたいときに便利な機能です。以下が基本的な流れです。
- 新規作成orテンプレートを使用
- サンプル注文
- 注文の確認と支払い
- 商品の受け取り
販促用サンプルやテスト購入として活用しやすく、クオリティやプリントの仕上がりを事前に確認したい場合に非常に便利な機能です。特に初めての販売時は、サンプル注文を活用することで安心して本格販売へと進めます。
参照:
Printfulでネットショップ開業【初心者向けガイド】|Printful
Printfulオリジナル商品作成・販売ご利用ガイド|Printful
Printfulでオリジナル商品を販売する方法は?|Printful ヘルプセンター
商品にデザインが施されたサンプルはどうやって作成できますか?|Printful ヘルプセンター
【FAQ】Printful(プリントフル)に関するよくある質問
Printfulのサイト内のよくある質問のページは充実していて、初心者にも分かりやすくまとまっています。
その中でも、気になるポイントを3つ抜粋して紹介します。
オリジナル商品が売れない場合に考えられる原因は?
Printfulで商品を登録しても思うように売れない場合、いくつかの典型的な原因が考えられます。以下のポイントに心当たりがないか確認し、該当する点があれば改善に取り組みましょう。
- 商品価格が高い
- 需要のない商品を販売している
- ショップの信頼度・知名度がない
- 口コミ、レビューがない
- ブランドイメージがない (ターゲット層やお店のテーマが決まっていない)
- スムーズに購入完了まで進まない
売れない原因は1つではなく、複数の要素が絡んでいることも多いため、ユーザー目線でショップを見直すことが改善の第1歩です。
Printfulで購入した商品の発送元は?
Printfulでは、注文が入ると購入者の住所に最も近い製造拠点で商品が作成され、そこから発送されます。
配送の効率とスピードを考慮した仕組みになっており、国際注文であっても拠点の分散によって迅速な対応が可能です。
たとえば、日本在住の購入者の場合、主に熊本県の拠点(パートナー企業)で製造と発送が行われます。
刺繍は施せる?
Printfulでは、プリント加工に加えて刺繍オプションも用意されています。デザインに立体感を加えたいときや、刺繍に適した素材(帽子やポロシャツなど)を使う場合に活用されています。
刺繍は2種類から選択できます。
標準カラー刺繍 | 5色の糸から、最大6色までを組み合わせて使用可能。シンプルなロゴや文字に適しています。 |
---|---|
無制限カラー刺繍 | メタリックとネオンカラーを除いた幅広い色に対応。グラデーションや繊細な色表現も可能です。 |
ただし、どちらの刺繍も細かすぎるデザインや線の細いパーツには不向きな場合があります。輪郭が崩れたり、再現が難しくなったりするため、刺繍用のデザインはあらかじめ仕様に沿って制作するのが理想です。
参照:刺繍デザインの作成|Printful(プリントフル)
オリジナル商品を作って販売したい場合は、「watasiino!!」もおすすめ◎
オリジナル商品を作って販売したい方には、海外向けにも対応できるオンデマンドサービス「Printful」は有力な選択肢になるでしょう。初期費用をかけずに始められ、Shopifyなどの外部ECと連携すれば、世界中の顧客に向けて販売できます。
ただし、デザインに関するサポートがほとんどなかったり、商品によっては在庫が不安定だったりと、注意が必要なポイントもあります。また、製造から配送までに時間がかかるため、「すぐに届けたい」というニーズには応えづらい場面もあるでしょう。
その点、私たち「watasiino!!」は、デザイン・印刷・発送までを自社で一貫対応しているのが強みです。
手描きのラフ画や写真をもとに、専属デザイナーがプロの目線で仕上げるため、クオリティにも自信があります。1型から多数バリエーションを展開したいときにも、柔軟にサポート可能です。
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