クラスTシャツを作るとき、「ちょっとくらいなら有名なキャラクターやロゴを使っても大丈夫」と思っていませんか?
たとえ学校行事用のTシャツであっても、著作権のあるデザインを無断で使ってしまうと、思わぬトラブルにつながることがあります。
実際には黙認されているケースもありますが、それはあくまで“たまたま”見逃されているにすぎません。
この記事では、クラスTシャツに関わる著作権の基本や注意点を、わかりやすく解説していきます。
どんなデザインが著作権に抵触せず(セーフ)、どんなデザインが著作権侵害になる(アウト)のか。実例も交えながら、安心してオリジナルTシャツを制作するためのヒントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
クラスTシャツのデザインに著作権は関係する?
クラスTシャツのデザインにも著作権のルールが関係しています。
たとえ学校行事で使うものであっても、市販のイラストやブランドロゴを無断で使ってしまうと、著作権侵害と判断される可能性があります。
トラブルを防ぐためにも、まずは著作権の基本をきちんと理解しておきましょう。
そもそも著作権とは
著作権とは、音楽やイラスト、小説、映画などの「著作物」を創作した人に与えられる権利のことです。この権利には、作品が許可なく使われないようにすることで、創作した本人を守る目的があります。
例えば、市販のキャラクターや有名ブランドのロゴは著作物にあたります。ほかの人が使いたい場合には、原則として著作権者の許可が必要です。
しかも著作権は、特別な手続きをしなくても、作品を作ったその瞬間から自動的に発生します。
インターネットやSNSが当たり前になった今では、誰でも気軽に作品を発信できる一方で、無意識に他人の作品を使ってしまうリスクも高まっています。
参考:著作権って何? | 著作権Q&A|公益社団法人著作権情報センターCRIC
著作物の教育利用に関するルール
学校では、授業の一環であれば、著作物を自由に使える特別なルールがあります。例えば、授業で使う資料を作成する目的でコピーしたり、非営利で演奏や上映を行ったりする場合は、自由に使うことが認められています(著作権法第35条・第38条)。
ただし、文化祭や体育祭で作るクラスTシャツは、「授業の過程」や「非営利の上演・演奏」にはあたらないと考えられています。そのため、こうした学校行事で著作物を使う場合には、原則として自由利用の対象外となります。
つまり、市販のキャラクターやロゴを無断でプリントしてしまうと、たとえ学校行事であっても著作権を侵害してしまうおそれがあるのです。
参考:
改正著作権法第35条運用指針(令和 2(2020)年度版)|文化庁
著作権法|e-Gov 法令検索
クラスTシャツと著作権に関する実態
ここでは、クラスTシャツの著作権に関する実態をみていきましょう。
クラスTシャツと著作権に関する裁判や判例はある?
2025年4月時点で、クラスTシャツに関する著作権の裁判例は確認されていません。しかし、Tシャツのデザインが著作権や商標権を侵害したとして争われた実例は存在します。
具体的には、あるアパレル企業がイラスト入りのTシャツを無断で販売したところ、著作権と商標権の侵害が認められ、裁判所から差止命令と損害賠償の支払いを命じられたケースがありました。
この判例からもわかるように、たとえ学校行事の一環であっても、著作物を無断で使えば法的なトラブルにつながる可能性があります。
実際にはクラスTシャツでの使用については黙認されるケースもあるようですが、「みんながやっているから大丈夫」という考え方は危険です。
著作権利用許諾を得るべき?
著作権のあるロゴやキャラクターをクラスTシャツに使いたい場合は、本来であれば著作者の利用許諾を得る必要があります。しかし実際には、企業や出版社の許諾を得るのは簡単ではありません。
特に、ディズニー社やサンリオ社など著作権管理に厳しい企業では、個人からの問い合わせに対応していないことがほとんどです。
理想をいえば許諾を得るのがいちばんですが、現実的には難しい場面も多いので、安心して制作を進めたいなら、はじめからオリジナルのデザインを考えるのが賢明です。
クラスTシャツのパロディデザインを禁止している学校も
著作権を考慮し、そもそもパロディデザイン自体を禁止している学校も少なくありません。
最近では、学校側が事前にTシャツのデザインをチェックする体制を整えているケースも増えています。また、印刷を依頼する業者の中には、著作権に抵触する可能性があると判断した場合、プリントを断るところもあるようです。
本人たちは“遊び心”のつもりでも、もとの作品にあまりに似ていたり、著作者のイメージを損なったりするような内容になっていた場合、法的トラブルに発展するおそれもあります。
【どこまで?】クラスTシャツと著作権のセーフorアウト
ここでは、どんなデザインが「セーフ」(著作権に抵触しない)で、どんなパターンが「アウト」(著作権を侵害する)なのか、具体例を交えながら、わかりやすく解説していきます。
【セーフ】パロディ風にアレンジした完全オリジナルロゴ
有名ブランドのロゴに似せた「パロディ風デザイン」は、工夫の仕方によっては著作権のリスクを回避できる場合もあります。
例えば、もとのロゴの雰囲気を少しだけ取り入れつつ、クラス名やイベント名を盛り込んで、完全にオリジナルのロゴとしてアレンジすれば、著作権に抵触しにくくなるでしょう。
ただし、もとのロゴと見間違えるほど酷似していると、「パロディ」とは認められず、著作権侵害と判断される可能性もあります。
そのため、フォントや形、色の使い方などに十分な独自性をもたせることが大切です。あくまでも“インスパイアされた”という程度にとどめておきましょう。

【セーフ】実在の選手と同じ苗字+背番号の背ネームTシャツ
実在するスポーツ選手と「同じ苗字+背番号」のTシャツを作ること自体は、基本的に著作権の問題にはなりません。というのも、一般的な苗字と数字の組み合わせは、著作物にはあたらないからです。
例えば、「YAMAMOTO 51」や「SUZUKI 10」といった背ネームであれば、自由に使っても問題ないでしょう。
ただし、ユニフォームのデザインやフォント、色使いまで本物そっくりにしてしまうと、「依拠性」や「類似性」が認められ、著作権侵害と判断されるおそれも出てきます。
【セーフ】有名セリフ風だけど自作したフレーズのTシャツ
有名な映画やアニメのセリフをもじって、自分たちで考えたフレーズをTシャツに入れる場合は、著作権の観点からみても“セーフ”とされる可能性が高いデザインです。
言い回しや表現を自分たちでアレンジしていれば、著作物の「コピー」には該当しないからです。
ただし、セリフを1語1句そのまま使ってしまうと、その言葉自体が著作物と見なされ、著作権侵害になるおそれがあります。
【アウト】ディズニーキャラクターをそのままプリント
ディズニーキャラクターを、そのままTシャツにプリントするのは著作権の観点から完全にNGです。ミッキーやプーさんなどのイラストは、ウォルト・ディズニー・カンパニーの著作物として保護されており、無断で使うと著作権侵害にあたります。
たとえ文化祭や体育祭といった学校行事であっても、「授業の一環」とは見なされないため、法的リスクを避けることはできません。
特にディズニー社は著作権管理がとても厳しく、個人での使用であっても注意を受けたり、法的措置がとられたりする場合があります。

【アウト】有名ブランドロゴをそのまま使用
有名ブランドのロゴをそのままクラスTシャツに使うのは、明確な著作権侵害にあたります。
ナイキやアディダスのロゴはスタイリッシュで魅力的ですが、デザインの模倣デザインは法律的にはNGです。著作権だけでなく、商標権の侵害と判断されることもあり、リスクはさらに大きくなります。
【アウト】Jリーグチームや海外クラブの公式ユニフォームを模倣
クラスTシャツで人気のあるデザインの1つが、Jリーグや海外クラブのユニフォーム風デザインです。
ただし、公式ユニフォームを模倣するのは、著作権や商標権の観点からNGとされています。
実際に、Jリーグチームのガンバ大阪は、クラブのロゴやユニフォームの形を無断で真似た模倣品に対して注意喚起を行っています。
たとえクラス行事用であり販売目的がなくても、チームのマークやデザインを模倣すると法的トラブルに発展する可能性があります。
著作権に抵触しないクラスTシャツのデザイン
ここでは、完全オリジナルのデザインやフリー素材を活用するなど、著作権に触れる心配のないTシャツデザインの方法について、具体例を交えながらわかりやすく紹介していきます。
完全オリジナルのデザイン
完全にオリジナルのデザインでクラスTシャツを作れば、著作権の心配は一切ありません。
例えば、自分たちで考えたスローガンや、クラスメンバーが描いたユニークなイラストを使えば、それはあなただけのオリジナル作品になります。
好きなキャラクターやブランドロゴを真似るのではなく、自分たちのアイデアで1から形にしていくことで、思い出にも残る特別な1着になるはずです。
最近では、無料で使えるデザインツールもたくさんあり、誰でも気軽にオリジナルデザインを作れるようになっています。
著作権フリー、なしの素材を使ったデザイン
著作権フリーの素材を使えば、安心してクラスTシャツのデザインを楽しむことができます。
例えば、商用利用が可能でクレジット表記も不要なフリー素材サイトを活用すれば、イラストやフォントを自由に使ってオリジナルのTシャツが作れます。
ただし、「著作権フリー」といっても、完全に制限がないわけではありません。
「改変はOKだが連絡が必要」「営利目的での使用は禁止」など、素材ごとに利用ルールが決められています。
そのため、使う前に必ず利用規約を確認することが大切です。
一般的な言葉や表現だけを使ったデザイン
一般的な言葉や表現だけを使ったクラスTシャツのデザインであれば、著作権の心配はほとんどありません。
例えば、「青春爆発」や「絆」「勝利への道」といったフレーズは、誰かの著作物ではなく、自由に使える表現です。こうした汎用的な言葉を組み合わせれば、オリジナルの雰囲気を出しながら、安心してデザインが楽しめます。
さらに、自分たちのスローガンや、クラス内で流行っている言葉を取り入れれば、より思い出に残る1着に仕上がるでしょう。
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